バイクツーリング

冬の北海道をバイクで走るイカれたイベント、年越し宗谷岬

 

真冬の北海道をバイクで走る

 

「なんでわざわざ冬に?」
「普通に考えて危ないよね??」
「バカなの???」

 

そう思われる方が多いでしょう、いや仰る通です。

 

気温は常にマイナス、その中をバイクで走るから余計に寒いし

雪道を走るので、当然コケるリスクも”かなり”高いです。

マトモな人間なら、こんな環境の中バイクで走ろうとは思わないでしょう・・・

 

そんな劣悪環境の中を、あえてバイクで走る事を選ぶバカ野郎がいます。

 

そして年に一度、そんなイカれた変態達が全国から北海道へ終結するイベントがあります

それが「年越し宗谷岬」です。

 

日本最北の地、宗谷岬で裸になる漢達

 

真冬の北海道をバイクでどう生き抜いたのか?

 

これは、4年越しの年越し宗谷岬を達成した私が得た情報全てを記した

とある大バカ野郎の体験記です。

 

 

 

 

”スパイクタイヤ”があれば、バイクで雪道を走れる

 

「そもそもバイクで雪道を走れるのか?」 答えは ”YES”

スパイクタイヤがあれば、下のような雪道でも ”一応” 走れます。

 

 

スパイクタイヤは市販品もありますが、市販品では雪道のグリップ力に心配があったので

私はスパイクタイヤを自作しました。

 

IRC FB3ベースの自作スパイクタイヤ自作スパイクタイヤ、ベースはIRCのFB3

 

IRCのFB3をベースに、オートパーツセンターのスパイクピン(極小)を

合計350本ある内の328本を打ち込みました。

余ったスパイクピン22個は付属のソケットとサイズが合わず使えませんでした。

 

スパイクタイヤの出来は「初心者なりに頑張ったね」程度のモノでしたが

そんなタイヤでも宗谷岬から自宅まで、無事に私を運んでくれました。

 

もし次回挑戦するなら、年越し宗谷経験者の間で評価が高かった

ベストグリップのスパイクピンで挑みたいですね。

 

 

スパイクタイヤは過信できない

 

「じゃあスパイクタイヤなら雪道は無敵なのか?」それは”NO”です。

スパイクタイヤは雪道を”走れる”だけで、雪道での安全は保障しません

 

私が宗谷岬にたどり着けた最大の要因は、

常に路面状況の危険察知を怠らなかった事、路面状況によって対応を変えた事

そして走りやすい道でも絶対に油断しなかった事です。

 

一見走りやすい道でも、罠のごとく危険個所が設置されていて

一瞬の隙を見て地獄にたたき落とすのが雪道です。

 

ヘタクソな出来のスパイクタイヤでも年越し宗谷岬を達成できた要因はココです

あんなに路面に集中し続けたのは人生初ですよ。

 

非常に重要なので繰り返しますが、

大事なのは路面に対する危険察知と、雪道によって対応を変える技術です。

 

私は初日に2回コケてそれを痛感しました、今考えたら避けられない運命でしたね。

雪道初心者が、路面の見えづらい夜間に走るなんて無茶するから・・・

転倒2回で済んだのは、むしろ幸運と言えます。

 

 

雪道で生存率を上げるために、道路状況を知る

 

雪道で生存率を上げるためには、危険察知と技術だけでなく、事前の情報収集も重要です。

私は出発前に毎日道路状況提供システムで状況を確認してから行き先を決めてました。

 

 

通行規制の状況、ライブカメラで路面に残った雪をリアルタイムで確認できます。

 

実際に雪道を走る場合も、走りやすい道を選びます。

例えば、生活に欠かせない幹線道路などは除雪が綺麗で”比較的”走りやすいです

※走りやすい、というだけで安全ではないので気は抜けません。

 

国道40号旭川~稚内を繋ぐ国道40号、除雪が丁寧で交通量はそこそこ。景色も綺麗でこの旅で一番走ってて楽しかった場所

 

逆に走行を避けたいのが、あまり使われていない道(国道を外れた道道など)

そして都市部などです。

避けたい道の実例として、私が旭川市内で洗礼を受けた映像をご覧ください。

 

雪が泥のようにぐしゃぐしゃ、不安定な足元にタイヤを取られ全く進まない。

 

交通量の多い都市部は、あらゆる場所に危険が潜んでいます

車の出入りが多い店の出入り口、ストップ&ゴーの多い信号付近・・・

特に交差点付近はエグい轍(わだち)や落とし穴(マンホール)が隠れていて危険!

 

旭川市内のそろばん道路ガタガタでハンドルが暴れる「そろばん道路」

 

旭川市内の交差点交差点付近に多いマンホール、鉄の部分だけ雪が溶けて落とし穴になってる

 

このような悪路では基本、両足を出してバランスを取りつつ

コケないように速度を落としてノロノロ走ります。

 

悪路と駆け引きしている間も後続車は容赦なく追い抜いていきますが・・・

車に気を使って、譲ろうとして路肩に寄るとコケそうになるので非常に危険です!

 

冬の都市部は路面状況が非常に悪く、普通の雪道よりも”かなり”気を遣います

後続車に轢かれるリスクも高いので、避けた方が賢明ですね。

 

<補足> Google Map を過信してはいけない

 

もし、Googleマップが国道から外れた脇道を案内し始めたら・・・

無視しましょう!確実に酷い目にあいます!

 

例えば下の映像、一見走りやすそうな道に見えますが

除雪が甘く、轍だらけで死ぬほど走りづらい道に案内されました。

 

 

普段のツーリング感覚でGoogleマップに頼ると酷い目に合います、

変な道を案内されてもスルーしましょう!

 

 

雪道で生存率を上げるために、天気を調べる

 

雪道を走る上で一番怖いのが「ホワイトアウト」です

吹雪で視界が奪われ、本当に何も見えなくなります!

 

 

こんな状況に出会わないためにも、路面と合わせて天気の状況も確認します

私は毎朝Yahoo!天気で状況を確認していました。

 

 

Yahoo!天気の雨雪レーダーは見やすくて精度も高いのでオススメです

濃い紫色ほど雪が強い事を表していて、吹雪の可能性が高く危険です。

 

ちなみに「天気はイマイチだけど路面は走りやすそう」

天気を軽視してルートを選んだ私は、岩見沢で酷い目に合いました。

 

 

これは岩見沢で遭遇した”軽めの”ホワイトアウトの映像です

3m先の路面も見えない上、道路は雪の吹き溜まりだらけでマトモに走れませんでした。

 

たとえ路面状況が良くても、路面が見えなければ恐怖でしかありません

「むやみに悪天候に突っ込むと死ぬ」という事をこの時学びました・・・

 

 

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