バイクツーリング

冬の北海道をバイクで走るイカれたイベント、年越し宗谷岬 Part3

 

 

極寒を耐え抜く服装

 

極寒の冬の北海道をバイクで走るわけですから、生半可な服装では寒さに耐えられません。

 

「風速1メートルにつき耐寒温度が1度下がる」という話は聞いたことがあると思います

私が宗谷岬で体験した最低気温は-9℃、その中を時速30~40kmで走っていたわけですが

この数字を元に、コチラのサイトを使って体感温度を計算してみると・・・

 

年末の宗谷岬の耐寒温度体感温度 – 高精度計算サイト – CASIO

 

体感温度はなんと、-31.6℃!!

時速40kmは、風速11mの風を受けているのと同等
湿度は80と仮定して計算

 

このような厳しい環境を耐え抜くには、レイヤリングによる防寒対策が必須です。

 

 

「すき間風を防ぐ」は最優先すべき防寒対策

 

服装とレイヤリングを解説する前に、まず大前提として

服にすき間風が入らないようにしてください、服装よりも遥かに大事です!

どれだけ高額なウェアを重ね着しようが、すき間風の侵入を許せば無意味です!

 

これを踏まえた上で、私が実際に年越し宗谷岬で着ていた服を使って

レイヤリングとその役割、あと個人的な反省点も含めて解説していきます。

 

レイヤリングの目的: 吸収&発散、保温、防風+防水+防寒

 

ベースレイヤー、役割は水分(汗)の吸収と発散

使用した物 モンベル スーパーメリノウール EXP.上下

 

汗を吸収発散できないと、厚着をしても汗冷えで体を冷やして凍えます

例えばヒートテックのように、暖かいだけではダメです。

スーパーメリノウールEXP.は上下で2万近くと高額ですが、性能は折り紙付き

着れば暖かく、汗もしっかり吸収発散してくれます。

あと長時間着ててもあまり臭くならないのも地味に助かる(意味深)

 

ミドルレイヤー、役割は保温

使用した物:
上半身 クリマプラス200 ジャケット
下半身 WGプリマロフト チタンインナーパンツ

 

上半身

フリースよりダウンの方が保温力に優れますが、後述するアウターがダウンと一体型なので

ミドルレイヤーには保温力と通気性が両立したフリースを選びました。

通気性が高く汗をかいても乾きが早いですが、保温性は正直イマイチです

それでも「耐えられないくらい寒い!」という事はありませんでした。

 

下半身

後述するアウターのダウンと同じ「プリマロフト」という素材を使ったダウンパンツで

汗をかいても乾きが早く、保温力も高い高性能インナーです。

ただ上半身と比べて寒かったので、もう1枚フリース的なモノを着込むべきでした。

 

アウターレイヤー、役割は防風、防水、防寒

使用した物:
上半身 WSプリマロフト ポーラージャケットFP
下半身 WSプリマロフト ポーラーカーゴパンツLF

 

極寒から体を守る最後の砦。優れた防風、防水、防寒性能を持ち

コケた時の事も想定してプロテクター入りのウェアを選びました。

 

「厳冬の季節、防寒性能を極めることにフォーカスした」

と公式HPに書いてある通り、破格の性能を誇るウェアです。

一切の雪や水分を体に通さず、透湿性を備え蒸れる事もなく

すき間風を防げば氷点下でも長時間走り続けられる・・・

まさに「年越し宗谷岬」に適したバトルスーツです。

 

その抜群の性能ゆえか、宗谷岬でもかなり着用率が高かったですね

 

 

あと個人的に気に入っているのが、ウェアに刺繍されたコチラのロゴ

 

ウェアの上下に刺繍されてる「宗谷」のロゴ

 

コレもう「年越し宗谷岬で使ってね」って言ってるようなもんじゃん!

 

 

グローブ、個人的に防寒テムレス一択

使用した物 防寒テムレス 01

ハンドルカバーに刺さってるのが防寒テムレス、マトモな写真が無かった・・・

 

防寒テムレスは安価なのに防水、防寒性に優れ、透湿性まで備えています

ゴワゴワした外見とは裏腹に操作性も良好、年越し宗谷岬のグローブはもうコレ一択だわ。

 

 

ブーツ、定番はソレルのブーツだが・・・

使用した物 1964 パックナイロン ウォータープルーフ

 

ソレル定番のカリブーが手に入らず、似た性能のコチラを使用しました。

「-40度の過酷な環境にも対応」と商品説明には書いてますが、普通に寒いです。

厚手の靴下を着けようが、靴下を重ね着しようが寒いです

特につま先は耐えられない程寒くなります。

ちなみにカリブー使用者曰く「同じく寒い!」そうです、性能は大差ないのかな?

 

しかし対策が無いわけではなく、カイロを使えば寒さがかなり緩和されます。

 

どうしても寒さに耐えられない時はコレを使えば大丈夫でした

 

防水性能は優秀ですが、丸5日も履き続けると中が湿ってきます

そのままだと中が凍るので、宿で毎日靴の中を取り出して乾かしてました。

 

ソレルのブーツの中身はこんな感じ

 

ソレルのブーツはカイロを使えば高い防寒性能を発揮しますが

色々不便な点が多く、最適解とは言い難いですね。

 

 

<補足> 立ちゴケ防止に、アイゼンは持っておけ!

使用した物 Jetika 10本爪アイゼン(名前長すぎるので省略)

 

冬の北海道を走っていて、地味に重要なアイテムだと気づいたのが”アイゼン”です。

 

例えばバイクが停止した時、足を出してバイクを支えますよね?

しかし地面は凍っています、着いた足がツルンと滑ると

踏ん張りがきかず簡単にステーン!と立ちゴケします。

 

そして転倒したバイクを起こす際も、アイゼンが無いと踏ん張りがきかず

体がズルズル後ろに下がって起こせません。

 

アイゼンは地味ながら無いと困るアイテムです。

しかしお店の中でカツカツ音を立てながら歩くのは迷惑になるので

私は簡単に取り外しできるタイプのアイゼンを持って行きました。

 

ソレルのブーツに着けた状態、かなり伸縮が効くので取り外しは簡単

 

そしてアイゼンを履き忘れて、旭山動物園で立ちゴケしました。

前述のように、着いた足がツルン!と滑って、ステーン!とコケました(涙)

私のように取り外しできるアイゼンを持って行くなら、履き忘れには気をつけよう・・・

 

 

ヘルメット&ゴーグル、吐く息と視界は分けないと危ない

使用した物:
ヘルメット アライ ツアークロス3
ゴーグル SWAMS MX-TALON

アライのツアークロス3、シールドを外さなくてもゴーグル装着できるのは助かる

 

路面が見えないと確実に事故る雪道では、視界の確保は大事です

何も対策しなければ、吐く息でシールドが曇って何も見えなくなります。

しかも曇りを放置すると、シールドが凍って余計に視界が悪化します

そのため、視界を確保するためには吐く息と視界を分けるのが良いです。

 

私はアライのオフロードヘルメット、ツアークロス3の上から

SWANSのダートゴーグルダブルレンズを着けていました。

 

SWAMS MX-TALON。分かりづらいけど曇り止めダブルレンズに変更してます

 

ゴーグルは宗谷岬までは全く曇らずに快適!だったのですが

折り返しから曇り止めが無いと曇るようになってきて少し辛かったです。

 

また内側の曇り対策が完璧でも、外側から視界を妨害されます

雪がゴーグルについて取れなかったり、道路の水しぶきが視界を塞ぐ事もあります

そのため、ゴーグルの外側にも撥水対策を施しておきましょう。

 

SWANSって撥水スプレーも出してるんだ

 

外側の撥水対策を怠った私は、雪&水が視界を塞ぐ度にバイクを止めてゴーグル拭く・・・

それを10分おきに繰り返す事があってすっげぇイライラしました(怒)

 

 

電子機器も寒さに耐えられない

 

冬の北海道ほどの寒さになると、電子機器も正常に動作しません。

 

アイフォンはいつの間にか電源が落ちてる

満充電のゴープロは、録画せず放置してるだけで1時間持たない

インカムのバッテリーもマッハで減る

 

ここでは、冬の北海道の寒さを耐えた機器と、効果があった防寒対策をご紹介します。

 

 

スマホ、アイフォンは寒さに弱いのでクビ

使用した物 Sony Xperia 10 IV

 

以前使っていたiPhone XRは寒さに弱すぎて全く頼りにならないので

iPhoneには戦力外通知を出して、Xperia 10 IVに機種変更しました。

 

簡易防滴のスマホケースに入れて、常時給電しながら使ってました

 

常にナビを出しつつ充電しながら走ってましたが、バッテリーが50%を切る事が無く

また突然電源が落ちるなど機器的トラブルも一切ありませんでした!

「-18℃の中でも問題ない」というレビューの通り、その防寒性能は本物でしたね。

 

 

防寒対策でスマホの裏に自作のアルミケースを忍ばせていたとはいえ

この旅で一度もバッテリーが50%を下回らなかったのは驚きました!

 

 

アクションカム、ゴープロも寒さに弱いので補欠

使用した物 DJI Osmo Action 4

 

雪道をバイクで走るなんて経験、滅多にできる事じゃありません。

一生に一度かもしれない思い出をしっかり記憶するため

撮影機材には Osmo Action 4を選びました。

 

予備としてGoPro HERO7 BLACKを持って行きましたが

防水ケースに入れた状態でも満充電から1時間持たなかったです。

 

Osmo Action 4は防水ケース無しの状態で外気にさらし続けましたが

動作不良もなく安定して撮影できました。

 

ホワイトアウトに遭遇した直後オズモアクション君、雪まみれでも動作に異常無し!

 

本体の防寒性能も優秀で、常時モバイルバッテリーから給電していたとはいえ

この旅でバッテリー交換したのはたった1回だけ。

走りながら雪と水をさんざん浴びましたが、浸水も故障もゼロ!

 

常時防水ケース無し+USBから給電してたけど、故障や浸水は無し!

 

「-20℃の低温環境でも(中略)撮影を行えます」と公式HPに書いてある通り

極寒の中でも安定して動作し続けた頼もしいヤツです。

 

※Osmo Action 4のマウント、給電方法はコチラのレビュー動画を参考にしました↓

 

 

インカム、独自の防寒対策が効果絶大だった

使用した物 B+COM SB6X

5年も使ってボロボロのB+COM SB6X君

 

必須アイテムでは無いですが、ナビ音声を聞くのに使っていました。

裸の状態では1日持たないので、自作のプチプチ&アルミカバーで防寒対策してましたが

予想以上に効果絶大で、満充電から電池残量が80%切る事がなかったです。

アルミで外気を防ぎ、プチプチで空気の層を作る、というやり方は正解でしたね。

 

アルミの裏にプチプチを着けて、風が入らないようにダブルクリップで下を塞いだ

 

 

その他の電子機器

 

他にはデジタル一眼レフやkindleを持って行きましたが

使わない時はダイソーで買った保冷バッグにしまってました。

 

ダイソーで買ったアルミ保冷バッグ、中にプチプチを敷けばより保温効果あったなぁ

 

保冷バッグに入れていても、一日走れば冷たくなりますが

動作不良や故障は無かったので効果はありました。

反省点として、保冷バッグ内にプチプチを敷いておけば

より高い保温効果が期待できましたね。

 

 

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